社員教育・人材育成の取り組み Carpenters
私が20歳の時に勤めた工務店の社長は大工の棟梁でした。気さくな性格が好かれて仕事もありました。そして若い大工さんも沢山いました。工務店にも大工さんにも活気があり良い時代でした。 しかし、令和の今は不景気、仕事があっても職人不足、人材不足で家を建てられない会社があります。 私は木造建築に携わって約50年、現状を嘆くのでなく、大工さんが誇りを持ち活躍できる環境を作りたいと思っています。 その思いから当社では3つの取り組みをしています。
-
日本の家を作った大工さん昭和30年代、私が子供の頃に夢は何と聞かれると女の子は看護師さん、男の子は大工さんという人が多かったです。
高度成長後の昭和55年頃は100万人ほどいた大工人口も現在は30万人を下まわりました。しかも半数以上が60歳以上の高齢者です。
弊社では伝統の灯を消さないように、日本家屋を作れる大工さんを育てる取り組みをしています。
少なくなった伝統的な和風住宅 -
合理化と伝統の両立今は合理化と細分化により熟練した職人がいなくても家が完成します。
大工作業もプレカット材や既製品の組み立てが主な仕事になり、道具は電動工具になりノミやカンナは使わなくなりました。
和室が減り床の間や書院など熟練の技の出番も減りました。しかし、弊社では伝統技術を絶やさないように構造材の墨付けや手刻みを積極的に行っています。
トラックに積んで出発前の手刻みの構造材 -
伝統技術の承継と育成一人前の大工になるには時間が掛ります。
棟梁から弟子が家作りの基本と心を学び、それを自分の形に作り上げていきます。「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」(山本五十六の名言より)。
伝統技術の育成は棟梁も弟子も成長します。
棟梁の温かい視線を感じながらの刻み作業
3.人間力向上と学び
-
資格は努力と学びの証です弊社では資格取得を積極的に応援しています。
資格を取るためには勉強をします。
知識を得ることも、勉強する姿勢も全てが自己成長につながります。私たちは、日々、商品や建築知識、構造などの勉強と研究を惜しまず積み重ね、お客様により良い提案が出来るように努力を続けています。
太陽光パネル設置の作業主任者の講習 -
社外研修と社内テストで自己研鑽「職人は武骨で不愛想なものだ」という時代は過ぎました。
良い仕事をするだけでなく、大人の常識を学ぶことも必要です。
社外研修と共に全員参加の社内テストも毎月行っています。大人になってから机に向かって、皆でテストを受ける機会は少ないと思いますが、仕事だけでなく、自己成長も社会人として必要なことです。
定期的に頭のサビを落とす社内テスト